自動車の自動運転に関する技術開発は目覚ましく,ヒューマンファクターの研究をはじめ,自動運転の実現にむけた法整備などの取り組みも活発化しています.しかし,競争が激しい中では,時間に追われて目先の作業をこなすのが精いっぱいという人も多いのではないでしょうか.そこで,自動車の自動運転のシステムデザインのあり方,法的責任のあり方について,腰を据えて,じっくりと考察,議論をする場が必要であると考えます. 今回,当研究グループでは,2つにテーマを絞って最近の研究動向について報告するとともに,参加者同士で深く議論するシンポジウムを企画いたしました.
皆様の積極的なご参加をお願いいたします.
科研費 基盤研究(S)
15H05716「人の認知・判断の特性と限界を考慮した自動走行システムと法制度の設計」
(代表 筑波大学 稲垣敏之)
〒112-0012 東京都文京区大塚1-5-23
※筑波大東京キャンパスから変更になりました。
自動運転が社会から注目と期待を集めているが、航空機が経験してきた事実からも分かるように、自動化には光の側面と影の側面がある。特に、徹底的な教育・訓練を受ける航空機のパイロットでさえ、自動化にまつわる様々な問題から逃れることができなかった事実を踏まえると、いったん運転免許証を手に入れてしまえば、どれほど高度な自動運転機能を備えたクルマに乗ろうとする場合であってもドライバー(ユーザー)に特段の教育や訓練を課すしくみが用意されていない自動車の場合は、航空機の場合よりはるかに深刻な問題を抱えるのではないかとの懸念を払拭することができない。このことは、社会に心から受け入れられる自動運転の実現を目指すには、技術的課題だけに注目するのではなく、人の心的特性や法制度のあり方なども含めた幅広い課題に対して慎重かつ果敢に取組んでいく必要があることを示している。
テーマ1では、技術的側面と心理的側面に焦点を当てて、自動運転が解決していかなければならない課題を考察する。
国際的な道路交通の基本枠組みである道路交通条約につき、欧州諸国を中心としたウィーン条約は一部改正され、他方、日米が加盟するジュネーヴ条約は未だ改正が実現していない。このような跛行状態の中、我が国でも自動運転の実現に向けた法整備の議論が本格的に開始され、2020年の実用化に向け、現在急ピッチで進められつつある。
今回の集会では、話題提供として、実用化のための法的課題と現在の議論状況、今後の展望を試みる。警察庁、国交省、経産省の下にそれぞれ法律家を交えて設置された会議の議論動向を追い、システム責任に関する工学と法学の架橋の必要性を指摘したい。
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筑波大学システム情報系 認知システムデザイン研究室
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